乳幼児期は皮膚バリアーの低下から、汗や乾燥に弱く様々な皮膚の病気(よだれかぶれ、おむつかぶれ、湿疹、あせも、)がおこります。経皮感作による食物アレルギーが起こりやすいのもこの時期であり、保湿や外用剤によるスキンケアが大切です。
小児期は活動的になるため、夏になるとあせもが悪化したり、虫刺され、とびひ、ウィルス性のいぼなども出やすくなります。また、アトピー素因のある子供さんは、花粉やダニなどによる特異的アレルゲンによる影響もでてきます。冬には乾燥による湿疹が出やすいため、湿疹の悪化しやすい時期を把握して適切な治療を行う必要があります。
子供のアトピー性皮膚炎は適切な治療をすれば9割は落ち着きます。とはいえ、アレルギー体質は全くなくなるわけではなく、鼻炎、喘息、結膜炎などを合併したり、成長につれて、また個人差や環境により、皮疹の出やすい部位も変わっていきます。
逆に小児期から10代、20代までに適切な治療ができていないと、30代40代以降は難治となり、外用治療のみの治療では難しいこともしばしばです。乳幼児〜小児の皮膚疾患はできる限り早めの治療とケアが必要です。
またアトピーの悪化の要因は非常にバリエーションに富んでいるため、アトピーやアレルギーの患者さんは、自身が悪化の原因や時期を把握し、病気を知った上でコントロールしていく必要があります。またここ数年のアトピー性皮膚炎の治療は目覚ましく進歩しています。私達は必要な検査や新しい治療も取り入れながら、患者さん一人一人に合わせた治療やケアを共に考えていきたいと思っています。